2025年5月
- tomoan1222
- 5月9日
- 読了時間: 12分
更新日:18 時間前
2025/5/9
長野県に引っ越して1ヶ月くらいになる。行動範囲は、辰野、伊那、諏訪、塩尻、松本周辺。車で片道1時間くらいの範囲しか動いていない。まだ慣れていないので、1時間以上の移動をする気力はあまりないし、松本まで行ったら大分嬉しい。この距離に物や文化が集まる場所があるのは、すごくいいことだと知った。
北海道の斜里に1年間住んでいた生活は、全く別の生活、地上のようで、少し浦島太郎みたいな気持ちになった。周りの人に、北海道どうだった?と聞かれても、膨大な記憶と感情が溢れて「寒かった」としか言えない。何年もかけて整理していくことなのだと思う。家で展示をしたのは、別にそれで終わりというわけではなく、途中の何かだった。
今住んでいる辺りは、思いつく遊びがそこらじゅうにあるので、とりあえずたくさん遊んでいる。
小さなクラブ、湖の側のプール、松本イオン、菜の花摘み、すずらん牛乳のソフトクリーム、多種多様の外食、お絵描き、いちご狩り、プリズンブレイク、バトミントン、バスケットボール、バレーボール、たべっこどうぶつの映画、プリクラ、リサイクルショップ巡り
北海道で少し貯めたお金を少しずつ使って、服を買ったり、ガソリンを入れたり、食べ物を買っている。働き口をどうにかしなくてはいけないと思う気持ちはあるけど、過ごしやすい季節の道楽生活はとても楽しい。
また、住む場所とともに大きく変わったことは、人と一緒に暮らすようになったこと。1人のときとは違って、隣にいる人との焦点を合わせることにエネルギーを使っている。苦痛でも大変でもなく、ただそれが生きているなのだと気が付いて、たまにびっくりする。
私たちは好みが似ているので、どちらのものとも言えない服やものが家にある。2人でファッションショーをするのはとても楽しいし、食事もいつも楽しい。
なので、この人は私の何か一部や、すごく似た生き物なのかもしれないと思うけど、全く違う人間だと知っている。でも、すぐに忘れてしまうような気がする。ずっと一緒にいて、境界が曖昧になるのはきっと仕方ない。ただ、自分と同等、もしくは自分よりも少し尊い命だと思い続けている。
「明日から」が口癖になって、筋トレも何も始めていない。すごくやりたい訳ではないけど、やれたらいいなと思うことがちょっとある。
・筋トレ(腰と下半身がしっかりしていたら、歳をとっても苦労しないから)
・適度に歯医者へ行く(なるべく入れ歯にしたくないから)
・毎日の日記(ボケ防止になりそうだから)
・散歩(植物の移り変わりを見た方がいいから)
・月1回の水泳(何か良さそうだから)
季節的なやりたいこと
・梅干し作り
・味噌作り
2025/5/10
昨日抜歯をして帰ってきた人、本当に口の奥が空洞になっている。夜は痛みで苦しそうだったが、朝は上機嫌にパンケーキを焼いていた。
昼、近くのイベントに行って、外の低い椅子で友達のカレーを食べた。湿度の高い曇り空で食べるカレーは、死後みたいで楽しかった。また、いかついバイク乗りたちのイベントだったので、私たちは空気とか家具そのものみたいだった。
最近お金を使いすぎてしまっているが、ツバメが2羽ついたネックレスを買う。釜焼きピザも1枚買って、歩きながら食べて帰る。2人ではじめるお店の屋号を決めようとして、昼寝をしてしまった。
夕方、慌ただしく鍋焼きうどんを食べて、昭和っぽい格好をして出かける。知らない喫茶店に寄って、透明の液体がたっぷり入ったクリームあんみつを食べた。向かい合って座りながら、いろいろ決めてしまう。
初めての場所に行って、よく分からない気持ちになって、よく分からないなりに楽しんだ。深夜家に帰って、根菜スープを飲んで寝る。
2025/5/11
洗濯機を2回まわした。昼は、一昨日くらいにとった鶏がらスープがあるからラーメンにしようと、一緒に買い物に行った。けど、ニシザワとバローの両方をゆっくり楽しんでしまったので、14時手前になり、ラーメンは夜にということになった。
昼は、バローで買った惣菜パン(店内で焼かれたパン、美味しくて安い)と焼き芋を食べた。家で1人になると、少し寝て、ずっとできていなかった作業をした。始めてしまえば楽なのに、始まるまでが難しい。
夜は少しずつワインを飲みながら食べて、大王わさび農場の本を読んだ。昔、わさびは徳川家康の門外不出の御法度品で、何だかんだあって江戸の寿司に使われるようになったと書いてあった。
2025/5/12
久しぶりの労働。8時30分に家を出て、大きいトラックの助手席に乗り、現場に行った。建物全体の椅子や机、全てを運ぶらしい。2日間で作業をする予定だったが、1時間しっかり作業をして休憩すると、これ今日で終わっちゃうんじゃない?となったが、何だかんだ終わらなかった。
重いものを運ぶのはそんなに嫌いじゃない。片付けるのは好き。お昼は近くの定食屋さんに行った。基本のメニューが700円代で、すごい!となった。全てのランチにサービスでコーヒー、紅茶、アイスがついてきて、アイスを選ぶと、プラス88円でパフェになる。刺身弁当とパフェにした。
17時頃まで働いて、帰ってお風呂に入った。お米を浸水させて、なぜか洗濯機を回してしまう。大きすぎるサラダを作って、新じゃがいもとエノキ、炒めた菜の花の味噌汁を作った。お風呂から上がった人が厚い豚肉を生姜醤油で焼く。美味しかった。
2025/5/13
8時頃に起きて、9時30分集合の畑に少し遅れて行った。今日はさつまいもを植えるらしい。最初にマサタケさん(畑の世話をしてくれる人)の話を聞いた。何を言っていたかあまり覚えていない。
さつまいもの苗は、茎を切ったものに葉っぱがついているだけだった。根っこが数ミリ出ているけれど、出ていないのもある。
畝に竹の棒で穴を掘りながら苗を埋めて、土の部分を足で踏んで固めてから、水をあげた。その後、葉っぱの部分にその辺に生えている雑草を抜いてかける。植えたては、日陰のほうがいいらしい。
その後、初めましての人もいるので自己紹介。全ての話にマサタケさんの小話が差し込まれるので、誰が話していたのか分からなくなった。その間、彼の頭の上には蝶々が飛び回り、手拭いを巻いた頭に止まったりしていた。
作業が終わって自由時間になったとき、マサタケさんに枝豆を植えたいと言うと、すぐに一緒に畝を作ってくれた。隣の畑から機械を運んで、ガーっと土が水のように揺れて、あっという間だった。私は肥料を運んで、出来立ての畝にかき混ぜた。
白菜のおばけという葉の花をもらって、最後まで一緒にいてくれた人と町の苗屋さんに行った。ミニトマト、きゅうり、なす、オクラの苗、枝豆の種を買った。その後、すぐ側の定食屋さんに入って、横並びになって豚の生姜焼き定食を食べた。明日の朝、植える約束。
家に帰り、汚れた服を脱いで2階のベッドで眠った。眩しい日差しと部屋を通る風、たまに聞こえる人の声が心地良い。今日はそうめんにしようと思う。
2025/5/14
畑に行って、種と苗を植えた。急がない作業も楽しい。種たちは、密閉された袋から土に包まれたとき、これがチャンスだ!と発芽するのだろうか。枝豆は85日後の収穫、ミックスレタスは40日くらい。脳や臓器のない生き物の体。
昔は、植物などの環境に依存する生態に憧れていたけれど、人間はその判断を自らの運と直感で行なっているのだと知ってから、あまり植物と変わらないような気がしている。ただ、人間の環境適応は広すぎるから、心と体の適応範囲をきちんと自覚していないといけない。
昼は適当にうどんを啜って、午後からは片付けの手伝いをした。また大きな車に乗って、重いものや軽いものを運ぶ。自分のすることがない間、駐車場の脇に生えたシロツメグサを編んだ。携帯が速度制限で使い物にならないから編んでいるだけだった。
西陽に当たって、変な生き物みたいになっている。行ったことのない飲食店に車を停めて、階段を降りて暗いトンネルと光に揺れている植物たちをみる。小さな花々や芽吹き出した植物たちの甘い、生い茂る匂い。
夜は、もらったタラの芽をサバ缶とトマト缶で和えたパスタを作ってもらった。キャベツと玉ねぎを銅鍋で煮たスープと、でかいサラダ。
2025/5/15
朝ごはんをしっかり食べて、朝から片付けのバイト。3人で少し遠くの場所に行って、3階の倉庫からものを運ぶ。午前中で終わり、お昼は少し贅沢をして、鉄板で焼いた肉を食べた。
午後もまた仕事についていき、川や畑で道草をしながら、コンクリート解体の片付けをした。そのあとは工房に行って、作業をしているのを漫画を読みながら待っていた。蜂に指を刺されていたが大丈夫そうだった。
夕方、久しぶりに人がたくさんいるお風呂に行って、知らない人たちを見た。露天風呂に大きな木がたくさんあって嬉しい。
若い女の人と少し距離をもって、浅いお風呂で座ったり、寝たり、ぼーっとしていると、小学生くらいの男の子が入ってきてはしゃぎだした。こちらにも来たがっていたが、私たちを見て「あそこはひとりぼっちの人のところだから!」と言って来なかった。
夜はすごく寒い西友に寄って、しゃぶしゃぶの具材を買った。なぜか高いポン酢も買ってしまう。
2025/5/16
洗濯物をたくさん干した。朝から1人で、斜め前の建物の手伝いをした。漆喰を壁に塗りまくる。薄く塗り過ぎてしまう。お昼、美味しいタコス。
14時くらいまでやって、みのわテラスにソフトクリームを食べに行く。そのまま、伊那のユニクロに行ってしまって、UTとワンピース(少し悔しいけど)を買った。
家に帰って昼寝をして、カブをゆっくり焼いて、チゲうどんを作った。
2025/5/17
朝、だるくて起きられない。じゃがいも、菜の花、エノキのスープを作った。お昼は時間がなくて、車の中でバロー(スーパー)のうどんを食べた。午後は、音楽のイベントについて行った。
今日はお酒を飲まないので、どうしたらいいか分からず、そこにあった赤瀬川原平の本を読んでいた。日本は、問題を時間(天)の流れに任せるという話がよかった。
DJの時間が終わってジャズの演奏が始まると、床に座っていられなくなり、外に出て散歩をした。お酒やご飯がないと、どうやってジャズを聞けばいいか分からない。ピアノの手がすごい動いていて怖かった。
目の前でジャズを2分も聞けない自分に嫌気がさして、そのまま車で寝た。山は雨上がりの深い緑色と新緑の光を湛えていて、とてもきれいだった。朝から降り続けた水が堂々と流れ、植えたばかりの稲たちが揺れている。
雲の流れがとても早かった。1時間くらい経つと太陽が隠れて、パラパラと少しの雨が降った。1日だけでもひとりきりでいたいと思った。
ライブが終わって、実家に帰る!と言ったが、すごく心配され、話を全て聞いてくれたので、一緒に諏訪の温泉に行き、マックでドライブスルーをし、諏訪湖の淵でダブルチーズバーガーのセットを食べた。夜の諏訪湖に何発も石を投げると、眠っていたであろう魚たちが動き出して、あちこちで石を投げているみたいな音がした。
2025/5/18
午前、奥の工房に私の作業スペースを作ろうと、色々片付けをした。広い間ができて、大きな机を運び入れる。駐車場には水溜まりがいくつもできていて、いつかのマックのレシートが水面にピターッと張り付いていた。その周りを何匹ものアメンボウがすいすいと浮かんでいる。
お昼は彷徨った挙句、家でうどん。午後は展示を見に行って、知り合いの店でお茶をしたら、来月の展示どう?と誘われた。少し悩んで、やります!と返事をする。ケーキもアイスコーヒーも美味しかった。
夜は何もしたくなくてお茶漬け。お風呂を沸かす間に、もじぴったんのボードゲームをした。盛り上がる。
2025/5/19
早起きをして、朝ごはんを作った。一緒に工房で作業をしてから、バイト。川島の畑に置かれたビニールハウスの鉄骨を2人で片付けた。昔の鉄パイプなので、固くて重い。3、4時間くらいで1トンの鉄と、ダンボール、マットレス、新聞、自転車などを片付けた。
昼は国道沿いの赤い中華に入った。店内は薄暗くて嫌な雰囲気、味が濃くて大変だった。もう行かないだろう。
夕方、ずっと日に当たっていたので、車に乗るとほぼ気絶した。1度家に帰り、着替えを持って大きなお風呂に行く。お風呂の食堂で五目ラーメンを食べた。醤油ラーメンに、くらげのような野菜入りの餡が乗っている。優しくて美味しかった。
平日の19時前の風呂は、案外空いている。風呂から出るとまた食堂に行って、生ビール、モツ煮、フライドポテトを頼んだ。私は瓶の牛乳。
慣れないマニュアル車を運転しながら、普段行かないスーパーに行って、普段買わないものを色々買った。セリ、ラディッシュ、生にんにく、値引きマカロン、値引きガトーショコラ、でかいココア。
2025/5/20
基本的に自分は怠惰な人間だと思う。溜まった日記を書いてそう感じた。日々が早すぎる。もうあっという間に6月だ。やらなくてはいけないこと、をやりたいこと、にしたい。そう思えるように頑張る。
午後から友達と一緒に絵を描いた。最初は1時間30分間くらいの予定だったけど、筆がのって3時間以上描いていた。解散し、今日は1人でご飯を食べた。
自分のための適当なご飯は結構好き。すごく美味しいわけではない。それがいい。明日は丁寧に美味しく作ってみようかな、とか思う。
20時くらいからまた絵を描き始め、22時30分まで絵を描いていた。途中の21時過ぎ、商店街に面したドアがノックされる。出ると、中年男性がアルストロメリアと小麦の花束を2つ持っていて、「伊那の農家なんですけど、買ってくれませんかね?」と言った。
男性の風貌が少し不気味で、また、一緒に乗ってきたであろう車にいる男性は1人でずっと喋っていた(電話?)ので、買わなかった。花束を売りきらないと家に帰れないノルマでもあるのだろうか。
買えばよかったかなと思ったが、アルストロメリアはあまり好きじゃない。
2025/5/21
目覚めよく起きられない。出発時間の1時間前に起きて、洗濯をして、朝ごはんを食べて、弁当を作って、着替えを持って家を出た。初めてきた温泉の駐車場で友達と会い、その車に乗って山の田んぼに行く。
車中で昨日の花売りの話をすると、家に来たりんご売りの話をしてくれた。おそらく、りんご泥棒のりんごだという。
田んぼに着くと、ゴム靴に履き替え、ジョンとヨーコの家族と一緒に田植えをした。田んぼに引かれた格子の線に沿って1箇所に3~4本の稲を植える。田んぼの泥は思ったより重くて、いい匂いがした。
早速、友達が転ぶ。学校が休みだという小学生が裸足になって稲を植えている。手持ちの稲がなくなったら、誰かに「くださーい」と言うと、自分の辺りに稲の塊が投げこまれた。投げ方は、草の部分を持って下から宙へ向かって投げる。
大変だけど気持ちの良い作業だと思った。ずっと曲げている腰より、足を動かすための足腰の方が疲れる。昼に近づくにつれ、田んぼの水はお湯のようになっていった。
お昼は、田んぼの端にシートを広げてそれぞれの弁当を食べた。ゆで卵を1つもらったが、異常に美味しく感じる。弁当を食べ終わり、手の届く範囲のセリを掴んで食べると、摘んで持っていっていいよと言われた。
手からはみ出るくらいまで採る。アカシアの花を天ぷらにして食べると美味しいと教えてもらった。作業は午後も続いたが、私たちは先に上がり、アカシアの花を摘んで帰った。
風呂に入って家に帰る。夜はせり鍋、アカシアの天ぷら、ピクルス、瓶ビール。去年漬けた梅酒も出してみた。せり鍋は、鶏のもも肉と削り節を出汁に、キノコ類、ゴボウを煮て、セリをたくさん入れる。途中に揚げ餅を投入し、最後は蕎麦を入れた。
夜は日焼けした体が熱くて寝苦しい。首の後ろに冷えピタを貼って、冷たい水を飲む。寝ていたのに、扇風機を出して回してくれた。
