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2024年5月


2024/5/1


9時30分に図書館に着くように家を出る。職員口から倉庫のような場所を通って、事務所に行く。私が着くと早めの朝礼が始まって、みんなの名前を知らない中、自分だけ挨拶をしてそれぞれの仕事に散った。


私は、館長と一緒に役場に行って、2階の1室で教育長から賞状のような紙をもらった。町長にも一言挨拶をして帰る。今度は、同期の人と一緒に小学校の見学に行って、休み時間や授業をみた。卓球をする子や外へかけていく子、タブレットで遊んでいる子がいた。絵を描くとかお喋りすることが、タブレットの対戦ゲームになっている。


昼前、図書館に帰って、館内を一周案内してもらった。初めてじっくりみれたので楽しい。昼は1人で来来軒に行って、シナチクラーメン(醤油)を食べた。


17時30分までバタバタして、ふわっとしたまま終わった。帰りにダイハツに寄って、タイヤの空気を入れてもらう。ついでに少し立ち話をした。


1度家に帰って着替えたあと、町のねぷた金魚の会に顔を出す。ずっと人と話してばかりの日だったので、じっと作業に集中できるのは嬉しかった。






2024/5/2


朝、よくわからないけれど車に乗って、3人で網走に行った。洗濯機を積んで、市内の複合施設の中にある図書館を見て、端っこにあるレストランで鹿肉バーガーを食べた。美味しい。


帰りは13時くらいになって、そのまま知り合いの人と話し合いをする。大きい机を挟んで、そちらが1人、こちらが3人。何か変な立場にいるなと思った。


午後は名刺などの印刷物を終わらす。18時過ぎくらいに帰った。






2024/5/3


祝日は休み。朝4時に日の出港集合の釣りに、4時に起きて5時に着いた。少し目が覚めた3時30分でも空が明るくて、びっくりした。夏が近い。


釣りは、カレイ釣りで、クロガシラという種類が釣れるらしい。2つある針に餌をつけて、遠くに投げたあとは何もしない。魚が餌に食いつくと、竿をぐっと引っ張って、魚の喉に針を突き刺す。


釣れたカレイはコンクリートの上にしばらく置いて、動かなくなったら頭を切って内臓を海に落とした。カレイは口のすぐ下辺りに肛門があるので、そちら側を海に向けなくてはいけない。切った身は網に入れて、海の中で冷やした。


隣で釣りをしていた人はなんと知り合いの知り合いだったので、何となく話をした。陽が登ってきた8時頃、帰り支度をする。帰り道にサクラマスを釣るときの場所を教えてもらって、7匹くらい釣れたうちの3匹をもらって帰る。


疲れた。何かを食べて寝る。昼過ぎに起きて、カレイを捌いた。5切れ分を刺身にして、他は冷凍保存する。美味しいけど、少し癖のある味がした。あまり多く食べられない。


夜、ねぷた金魚会に顔を出したけれど、疲れてうまく話せなかった。






2024/5/4


なかなか起きられず、ぼうっとして自分のことをする。大家さんに刺身を渡しに行くと、なぜか一緒に出かけることになって、3ヶ所はしごしたあと、蕎麦屋で天ぷらうどんを食べた。


午後、ゆっくりお茶をして、外に放置していた棚を洗って、ふやけた背面のベニヤを剥がす。夕方前、やっと約束していたところに行く気になって、家を出た。


アジトでは、屈強そうな男2人と知っている男2人が枝をたくさん燃やしていた。原っぱ中の倒木やいらない木を倒して燃やしているらしい。1時間ほど手伝って、買い物をして人を家に招いた。


急ぎでご飯をつくって、食べる。ちゃんと準備をしておけばよかった。また、4人分のご飯を作るにはこのキッチンは使い勝手が悪いので、どうにかしようと思った。


夜、床に座って難しい話をする。具体的というよりもニュアンスの話なので、ちょっと意地になってしまった。落ち込む。






2024/5/5


朝早めに起きて、荷物を準備して家を出た。9時から開く店たちで買い物をし、10時前にアジトについた。急いで板やバケツなどを洗い、簡易テーブルを用意する。10時過ぎになると、人が集まりはじめてみんなで土を捏ねた。風が少し吹き、太陽は暖かく、鳥の声がずっとして、いい天気だった。


昼頃になると、家から持ってきた壊れかけのコンプレッサーで火を起こした。残った人たちで肉や椎茸、厚揚げを焼いて食べる。世間からはみ出た不思議な空間だと思った。


夕方前に家に帰って、外に干してあった棚を家の中に入れた。窓辺に座って、パソコンで色々な買い物をする。ああ〜と思うけれど、多分平気。大きな買い物をするとき、いつもこんな感じになることを思い出した。


夜、玄関の戸締りに行くと、玄関の中に帽子に入ったタラの芽があってびっくりした。妖精?






2024/5/6


朝ダラダラして、買い物に行き、米などをたくさん買った。雨の中、スーパーの駐車場で展開された植物屋さんをみた。欲しいものはなかった。ガス屋にも行って、聞きたいことを聞く。


帰って、焼きそばを作って食べたあと、何故かカレーを作りはじめた。今日することを考えていると、大家さんから電話が来て、故障したコンプレッサーを見てくれた。何故かそのまま家に行って、お茶をする。


コーヒーを飲み干して、家まで送ってもらうと、ビールはいらないかい?と言われて、町のスーパーでサッポロクラシックを段ボールで買ってくれた。こんなに甘やかされてどうなってしまうのだろう。できる限りのお礼をしようと思う。


家に帰ると、キッチンの排気口に詰まった鳥の巣を取ってもらった。私は白い小屋から使えそうな食器を出して、家の中に運ぶ。てんとう虫などがついたまま熱湯で洗って、漂白系の洗剤につけたあと、強く擦って洗った。


しばらくしたあと、昨日運び入れた棚の中に食器たちを並べると、すごくよかった。嬉しい。シェアハウスや店などの雰囲気がある。自分の家になりすぎないでいいと思った。


夜はカレーを食べて、洗濯をして、日記を書く。日記を書かないで1週間くらい経っているのかと思ったが2週間経っていた。時間が倍で流れている!






2024/5/7


8時ちょいに車に乗って、生ごみを出しに行く。人がいたので、遠回りしてしまった。もうそんなことにならないように、ちゃんと着替えてからゴミ捨てに行きたい。


9時30分から仕事。雨で寒いので、久しぶりにニットを着た。家を出る前に大家さんが来て、壊れかけのコンプレッサーを回収していく。


1日中、印刷物のことをした。ポスター1枚と、自己紹介の紙など。久しぶりにクーピーに触って、嬉しい。スーパーや公共施設にある手作りの飾り付けに対して、もっと尊敬を抱けるような気がした。そうした手仕事の素直さといじらしさ。


日記は、行動範囲が一定になると、出来事や人物の詳細を書くことができなくなるのだと気づいた。だから、移動生活のときは素直に書いていたことも、今は周りに気遣ってできない。働くことは、できることとできないことが交換されていくみたいで、今はその感覚を泳がせている。



地域おこし協力隊になったけれど、自分の意思と求められる理想は結構違う。短期間で色々詰め込みすぎて、何も大事にできないような気がする。今はまだ、いつこの場所を去るか考えている。


自分の大事にしたいもの、取り組みたいものは、広く、長い、磁場のようなものかもしれない。それを表す文章を早く書かないいけないと思っているけれど、全て行動に流れてしまっている。






2024/5/8


朝、クロネコヤマトから荷物がたくさん届く。来客用の布団や毛布。不思議と何故かいい気持ちがする。


仕事4日目。なんかしたけど何もしていないような気持ち。夜は大家さんの家でステーキをたくさん食べらされた。食べらされた、は、たぶん北海道の方言。


これから種蒔きで忙しくなってご飯を食べさせてあげなくなるから、今のうちに肉をたくさん食べておけ、みたいなことを言われた。


最後は飲み込むように肉を体に詰める。ビールを飲んで、風呂に入って、漫画をたくさん借りて帰った。






2024/5/9


昨日もらった食べ物をタッパーに詰めて、お弁当にした。昼、職員さんと一緒に食べる。


夕方、中斜里に行って人と話した。ずっと中途半端な気持ち。仕事とやりたいことをちゃんと分けたいけど、うまくできない。全てが刺激で感覚すぎる。胃が痛くなったので帰って寝た。






2024/5/10


朝、家で木工作業をした。たぶん大丈夫だけど、図面をひかないから人に伝えられなくて自信がなかった。いい加減、ちゃんと現地で寸法を決めることを信じたい。少し落ち込みながら図書館に行った。


夜、友達が家に来る。






2024/5/11


今日の朝、木々が一気に芽吹いて、景色や町が優しい色で溢れていた。チューリップも知らない花々も一気に咲いている。


仕事。あまり人が来なくて、ほとんど作業っぽいことをした。午後、1人で本を読んでいる子の隣に座って、今日見た花を描く。自分のことと記憶を手放す気持ちがした。意外と子どもの方が手放すことをしないのかもしれない。


人のいた跡を片付けられないまま、寝る。






2024/5/12


4時頃に起きて、5時に家を出た。峰浜の海辺で釣り。穏やかで綺麗な海だったけれど、色々あって、人の思いと優しさと年齢と、たくさんのことがドッときてびっくりした。ぼうっとしたまま、北見まで行く。嫌になるような良いような、人付き合いの試練って感じ。






2024/5/13


全国的に天気が悪いらしい。雨と風で、寝ても寝ても眠かった。夜、コーヒーを飲んで最低限くらいの家事をして、また寝た。






2024/5/14


朝5時に釣り場に行ってみて、1時間ほど投げて帰る。帰りに、知り合いからカレイの醤油漬けと塩で干したもの、蓬餅をもらった。交換するように日向夏とお菓子をあげる。


家をバーっと片付けて、ゴミを積んで、大家さんの家に少し寄って、リサイクルセンターに行った。家に溜まったペットボトル、缶、プラスチック、段ボールを捨てる。


そのあと、図書館に少し寄って、アルプ美術館の裏の家に行った。初めて会うカナダから来た人に挨拶をする。友達から色々なことを聞いていたけれど、底知れないエネルギーと好奇心を持っている人だった。


その人と友達と犬と一緒に中標津の佐伯農場に向かった。カーブのスピードに気をつけながら、斜里岳の裏に回りこんで、色々な話をしながら変わらない景色を見ていた。


彼女はよくカナダや札幌での昔の思い出を話してくれた。カナダの大きな公園の湖で、カヌーに乗りながら夫と案内人と一緒に釣りをした話は、なんとなく景色が少し分かるような気がして、明るい森とたくさんの水が、晴れた車内でしっかり感じられた。窓の隙間から入る牛の強いの匂いと唸る犬。


農場でカレーを食べて、展示を見た。この人といると、好きなものを手に入れる気持ちと行動力が強くて、ちょっと引っ張られる。手に入れる、という目線でものを見てしまう気がしたけれど、本当は北海道に来てからその気持ちが強まっているかもしれない。


午後、佐伯さんとお茶をして帰る。帰りの車内でもたくさんの人の話、誰が誰で、昔はどこにいて今はどこにいるか、人間1人が持つ関わりや思いを隠さずに教えてくれた。死を意識する年齢だからか、元からなのかは分からない。


彼女のその人ぶりと、持っているコレクションを周りに全て渡してから死にたいという行動と思いは、燃えながら落ちていく星みたいで綺麗だと思った。頼りない体で力強く燃えている。



夕方、町内の体育館に行って小学生のバレーボールチームの見学に行った。今までの部活動の記憶を結構消してしまったことを思い出した。練習の流れとかがよく分からず、邪魔してしまう。日々、自分の社不ぶりを実感する。












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