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2024年4月



2024/4/1


朝、実家の屋根裏からカーペットを2枚出して、車に運んだ。家に帰ると、玄関にある引越し予定の荷物の多さにびっくりする。昔は体1つでどうにかなることへの理想があったけれど、道具こそが大事だと気付いて、家具や照明にも気が回るようになった。でも、大きくてお金がかかるので面倒くさい。


午前中に家を出て、道の駅に寄りながら三鷹の方を目指す。下道でも意外と早くて楽しかった。暖かい日差しと車内を通り抜ける風が、この前聞いたバンドに似合っていた。暗いライブハウスで聴くよりも好き。


変な場所に停めてしまった車から40分くらい歩いて待ち合わせ場所に行った。親知らずの話を聞いて、どこかで何度か繰り返された話かもしれないと思った。桜を目指して北西に歩く。椅子に座ってイチゴとシュークリームを食べた。鳥の話。


雨が降ってきたので江戸東京たてもの園に入り、雨を避けながらたくさんの建物を見た。木は移築の際にそのまま持ってきたものだろうけど、新しい壁は生活ではない時間の経ち方をしていて、ずっと等身大の模型を見ているようだった。いい家でも生活感がないと、本当にいい家なのか分からない。


閉園時間までいて、帰りは駄菓子を食べて帰った。そのあとすぐにまた人と会って、どこかのロイヤルホストで3時間くらい話をした。あるものとないものの話。似たようなことを考えているけれど、身体感覚がまるで違うので、一緒に何かつくれたら面白いと思うのかと知った。


見えないものを見る、触るためにものをつくるという話をして、うまくできれば、きっとずっとそんなことをするのだろうと感じた。田舎に引っ越すことと演劇をすることは少し似ている。






2024/4/2


夜は薄い車体が冷たくなって、あまり眠れなかった。毛布と掛け布団があれば絶対眠れるのに、と何度もその温かさと重さを思い出す。春はいつも騙されることを思い出した。今日の夜も多分、また同じ気持ちになる。


顔を洗って、郊外のコメダ珈琲に行った。人がいなくて好き。溜まった1週間分の日記を書いて、日記の良さを少し思い出した。


1時間移動して、予定まで時間があったので違うコメダに入った。ここのコメダは戦場みたいで、女の店員さんたちの太々しい気合いがすごい。


神奈川に行って、夜、山梨に向かった。どこか適当な場所で眠る。






2024/4/3


昼頃からお風呂に入る。ぬるい湯治のお湯だと言われた。夏のプールくらいの温度だった。内湯と露天風呂があって、内湯の方はまだ入れるけれど露天は風邪をひきそうになる。


そのあと、こってりしたラーメンと半チャーハン、餃子を3つ食べた。コンビニに車を停めて、雨の中、車の片付けをする。


適当に甲府市でコーヒー豆を買い、街の裏路地にある喫茶店に入った。居酒屋みたいな感じで失敗したと思ったけど、隣の人とママの会話が当たり障りなくてよかった。


暗い雨の知らない街は、少し居心地が悪い。コタンという名前の喫茶店を見て、山の知らない場所で寝た。






2024/4/4


起きるとどうしようもない感じがした。車中泊に慣れてきて、ここがどこで、自分がどんな状況なのかどうでもよかった。ずっと浮ついた気持ちがする。生きている感じがあまりしなくて、道の駅の駐車場で昼寝をした。寝転んだ窓から桜の蕾がたくさん見える。


夜は久しぶりの人たちに会って、バンドの音を聞きながら炭をおこして野菜や肉を焼いた。ビールをたくさん飲めると思ったけど、寒くて飲めなかった。部屋の中に入って、髪を切るか迷っていると言うと、その場で切ってもらうことになった。


美容師だった元カノの髪の毛を切っていたから大丈夫と言われ、穴の空いたビニール袋を被る。1年ほど伸ばした髪の毛は、鈍い音を立てて床に落ちた。毎日大切にしていたものが一瞬でなくなって、いい気持ちがした。


シャワーを浴びると、体の形も変わったように見える。






2024/4/5


起きて、1階にある洗濯機を回した。ドミトリーのベッドのまわりに干して、外に出る。コーヒーを飲みながら何かを話して、好きな曲をかけながら上諏訪に行った。


車を置いて、路地裏のラーメン屋に行くと、ちょうど店の夫婦が外から帰ってきて、ぼこぼこの車から出てきた。ラーメン?と言われ、暗い店内に案内される。


お爺さんは、志村けんのひとみばあさんのようにずっとモゴモゴ言いながら厨房で動いていた。追加で餃子を頼もうとして、声が全然届かなかったけどどうにかなる。ラーメンは500円、こてこての中華っぽい変な内装。


そのあとは近くのいい喫茶店に行って、画材屋、古本屋、古物屋に行った。水蒸気で霞んだ諏訪湖をぐるっと回って、峠道を通って帰る。


夜は、改装した新居にお邪魔して、美味しいごはんをたくさん食べた。嬉しい。深夜のビリヤード。






2024/4/6


夜中の安い酒がずっと効いて、1日中頭がはっきりしなかった。頑張ってスーパーに行ってごはんを作って食べると、疲れて昼寝をした。


夕方前、車で山に登って、コーヒーを飲んだ。日本海に向かって車を走らせる。






2024/4/7


川と雪山の近くは、寒くて寝つきが悪い。陽が昇ると、たくさんの山を抜けた。コーヒーを買ってもすぐには飲めなかった。


気がついたら海が見えて、ヒスイという大きな看板があった。椅子を倒して眠る。しばらく時間がたって、浜に降りていい石を探した。ポケットいっぱいの丸い石。


少し離れた場所で刺身定食を食べる。山の方へ走って、車を擦った。公民館みたいな場所の温泉に入る。まだやっていない食堂でお茶を飲む老夫婦に、黒霧島の瓶のそばで寝ている男の人。窓の下で眠った。


流れの激しい川の側にあるほとけたち。変な家をたくさん見た。


町に出て、変な美術館と季節のせいでよく分からない庭を見て、風の強い湖におりた。たくさんのカーブとトンネル。柑橘と苔の生えた野球ボール。






2024/4/8


疲れた体で、玄関に積んである荷物をひとつずつ車に運ぶ。全部乗った。夜はタラの芽を揚げる。






2024/4/9


家族と温泉旅行に行った。里山というたまに聞くけれど、腑に落ちない言葉。母の誕生日だったので、慣れないサプライズをした。






2024/4/10


露天風呂に入って、揺れる木と葉っぱを見た。水色のお湯は好き。






2024/4/11


ずっと眠れる。起きて、日記を書いて、身支度をした。荷物を詰めすぎた車は、タイヤが少し凹んでいる気がするけど、あと10時間くらい頑張ってほしい。


引越しといっても、また北海道に戻るという感じがする。聞きたい曲と読みたい本がある。






2024/4/12


時速44?何ロット?

足元が揺れて、眠くなる。19時30分。1度寝て、みんなが寝た後に起きる。

11時函館の沖。13時30分、苫小牧に着く。

たんねない


夜、峰浜に着いて、持っている鍵で家に入った。前日か前々日に、大家さんが水の栓を開けてくれたので、部屋中の暖房がついていた。ガスも通っている。


リビングの電気がつかないので、キッチンの電気だけで部屋を見た。まだ少し緊張する。途中の町で買った野菜を煮て食べた。


寝るにも落ち着かないので、芸人のラジオをかけながら車の中の荷物を全てリビングに運んだ。こんなに入っていた。置きたい場所としまうものは何となく決まっているので、それぞれにものを運ぶ。途方もない。いらないものばかりのような気がする。






2024/4/13


朝の9時頃から大家さんのD型ハウスで芋切りのバイトだった。7時前に起きたけれど、何をするべきかよく分からなくてあっという間に9時前になった。どこに何があるのか分からなくて、タオルが1枚しかない。


芋切りは、でんぷん用の種芋を2等分か3等分にして、小さいものはそのままコンベアの上の穴に落とした。コンテナの上に座布団をひいて、少し前屈みになりながら永遠に落ちてくる芋を選別し続ける。


慣れない体勢のせいで首と肩が変に凝った。2日目までは辛いけど、3日目からは慣れてくるよと教えてもらって、途方もない時間と量に何も考えられなくなる。


休憩時間は、9時20分から30分間と、11時30分から90分間、最後に15時からの30分間。30分の休憩は、コンテナを丸く広げて、お菓子と温かい飲み物を飲んだ。大家さん夫婦と息子、大家さんの姉夫妻、友人2人で当たり障りのない話をする。


90分の昼休憩は、作業着を脱いで家に上がり、リビングでお弁当を食べた。お弁当はいつも大盛りで、頑張って食べきるか、少し残して家に持って帰った。ご飯を食べると、すぐ近くの自分の家に帰って、気持ち程度に目をつむる。


午後の13時から15時までの2時間はとても長く感じた。芋を切っても切っても芋があり、芋と土の混ざった匂いがして、マスクの下の汗には茶色い土がくっついた。


17時に終わって、去年収穫した芋をもらう。レッドムーン、メークイン、シャドークイーン、インカのめざめ。メークイン以外はほとんど市場に出ないらしい。30キロくらいの芋を玄関先に置いて、アルミシートをかけた。


夜は、zoomで夏のための話し合い。23時30分を過ぎると、気絶しそうになった。






2024/4/14


まだ炊飯器がないので、冷凍の焼きおにぎりを2つ食べる。今日は8時から作業ができるように家を出た。まだ見慣れないハウスの光とコンベアの音。昨日と同じ場所に座って、研がれた包丁で芋を切った。まだ体は慣れていない。


お昼はカツカレー。頑張って全部食べた。昨日よりも体が疲れているような気がする。


夕方、バイトを終えて家に帰ると、1台の軽バンが停まっていて、今日は早帰りをした人が、塗る湿布薬とお菓子、栄養ドリンクを1ダースくれた。お礼にネギを持たせる。


大家さんに夜ごはんを招待されて、18時に町の図書館に行ったあと、ビールを持って家に行った。


新築で音のない家は妙に緊張する。ホームプレートに焼かれたジンギスカンを食べながら、ビールを飲んで、夫婦の昔のことを話した。食べ終わると風呂に入らされて、すぐに家に帰される。






2024/4/15


8時から芋切り。圧縮袋に入った服を整理したくて全部出したけれど、季節ごとに分けられなくて、6畳くらいの部屋に畳まれた服が散らばっている。その部屋や、客間にする予定の部屋、作業部屋、キッチン、それぞれ整理したいことを考えて、芋を切る。


お昼は多分ほっけ。家に帰って片付けをしようと思ったけれど、眠かった。作業に慣れてきた。芋を延々と切りながら、ずっと考えていたことをやめる。


夕方、友達の農家さんの家に行ってネギと炊飯器を交換した。芋切りは軍手二重にするといいと教えてもらう。






2024/4/16


今日も8時から芋切り。朝起きるのは億劫だけど、外に出て仕事をする喜びはきちんと感じられるので嬉しい。みんなは5時頃に起きると言っていたけど、私は6時30分か7時頃にしか起きられない。


8時30頃、芋を流すコンベアがゆるんで、地面に切った芋が溢れた。みんなであたふたしながら、とりあえず動いているもう1台の方の作業場で芋を切る。


休憩のときも直らなくて、修理作業をする人を見ていたけれど、11時頃に直った。農家はありとあらゆるものを自分の手で作っているからすごい。昼、気分転換にシャワーを浴びてみたけれど、すぐに汗と土まみれになったので寝た方がよかった。


夜、また夜ごはんに呼ばれて、ラーメンを食べた。息子さんと同量の2人前くらい出されて苦しい。食後、ビールを飲みながら昔の話をして、郷土史から引っ張ってきた大家さんのお婆さんの話をした。






2024/4/17


8時から芋切りをして、15時に2人帰ったけれど、17時前には2のうち1つの大きなコンテナの芋がなくなった。作業は明日で終わるらしい。予定よりも2日ほど早い。昨日と今日は気温が20度もあったので、強い日差しと激しい気温差に体が疲れた。






2024/4/18


午前、ラストスパートで芋を切り続け、11時前に終わった。家に帰ってシャワーを浴びて、お昼を食べに戻ってくる。お弁当はカツ丼だった。ソファーに座ってテレビを見ていると、昨日、愛知や高知で起きた地震のニュースが映った。建物や景色が違う上に、普段テレビを全然見ないので、愛知や高知がとても遠い場所に感じられた。


昼過ぎ、大家さんと灯油の契約や引越しの粗品を買いに、町に行った。コープに行くと、入り口にりんごの木箱が売られていたので、4つ買った。中にある花屋でアビスという植物を買うと、店員さんが隣に住む人だったので、そのまま挨拶をした。店内ではウトロの知り合いが花を見ている。


セブンに寄ると、店員さんに髪を切りました?と言われて、接客以外では話したことがないのに認識されていてびっくりした。


家の方に戻って、町内の同じ班である7軒の家を回った。私が若くて1人だったのでびっくりされた。みんな、にこやかで人の良さそうな人たちだった。


最後、隣の家に行くと、検品で外れたアスパラガスを束でくれた。そのまま、立ち話を30分ほどする。お婆さんの手術の話や、まさかこんな歳を取るなんてという話や昔バイクに乗っていた話を聞いた。また遊びにきますと言って帰る。


どわーっと疲れたけれど、18時30分からは町中で金魚ねぷたをつくっている会にお邪魔した。大きな建物の温かい1室に、5人が机を囲んで金魚ねぷたをつくっていた。楽しそう!と思ったので、針金を切るところからつくらせてもらった。


2時間30分の作業で、針金を丸く組むところまでできた。これに紙を貼ったあとは墨出し、蝋塗り、色塗りがある。すごく時間がかかりそうで楽しみ。そういえば、決まったものをつくることをあまりしたことがない。






2024/4/19


連日の疲れが出て、何もしたくなかった。それでも、買い物やらがあったので、とりあえず斜里温泉に入りに行った。人がいなくて、いつもよりお湯が熱い。いつ掃除をしているのだろうと少し心配になる。


帰って、家の片付けをした。昨日買ったりんご箱を2つを本棚、1つを物置き、1つは壁に打って物入れにすると、何だかいい家になった。調子が上がって、布を色々なところに引いたり、ものを移動させたりする。


すると、いつの間にか夕方になったので、買ってきた肉ともらったアスパラを何個も巻いて、友達の家に行った。焼いた肉巻きともつ鍋を食べる。忙しそうだったのであっさり帰るつもりだったけれど、色々な話をして22時過ぎになった。


そのままもう1人の友達のところによって、犬を触った。ここでも色々な話をして、家に帰ったのは夜更けだった。






2024/4/20


寝てみても、体の疲れが取れなくてつらい。休みたいのに、朝の6時前には目が覚めた。洗濯が好きなので、洗濯したいなと思って起きる。


11時に博物館に着くようにして、とんぼ玉のワークショップに少し参加した。館内をうろうろしながら、空き時間でとんぼ玉をたくさんつくる。丸くてキラキラしたものができるのは嬉しい。片付けをしながら石の話を聞いて、また、と別れた。


18時からは、大家さんの家に行って寿司を食べた。思ったよりもたくさんあったので、そんなに食べられないと言った。ビールを何缶か飲んで、ソファーで眠る。起き上がって、家まで送ってもらった。






2024/4/21


眠かったけれど、10時からの約束で大家さんと北見に行った。コンビニに寄ってもらって、じゃがりことアーモンドがついたポッキー、カフェラテを買う。畑や土地や家の話をして、いつの間にか眠ると北見の市内にいた。


電気屋に行って、クーラーを買ってもらった。あーだこーだ言いながら、6月に取り付けの約束をして、店を出た。冗談のようにクーラーつけてと言っていたけれど、本当につけてくれるとは思わなくてびっくりした。


お昼を食べて、私の買い物に付き合わせた。いつか北見で買おうと思っていたもの、3×6の合板、ソファー、たくさんの茶葉を買った。


帰り道も眠ってしまって、気づいたらジェラートを食べて、気づいたら家の近くにいた。


夜は少し緊張のzoomをする。できて良かった。






2024/4/22


今日は何もしない日と決めた。連日こんなに人と会うとは思わなかった。何度も寝て、昼に起きる。リビングに置いたソファーと本棚、付け替えたランプシェードがかわいい。他の部屋なんとか落ち着いたので良かった。


午後から人と電話して、だらだら話す。コーヒーと発泡酒を2本飲んだ。夜ごはんは、雑なポテトサラダとアスパラとゆで卵、にんじんと大根と鶏肉の汁物。






2024/4/23


連日天気が微妙で、体が重い。寝ぼけながら書類の整理をして、昼にラジオを聴いていると、今日が知床観光船沈没事故から2年目の日だと知った。外の気温が低くて落ち込む。


大家さんが家に来て、ゴミを回収してくれた。ついでに、家の敷地内の小屋の中を自由に使っていいよと言ってくれた。色々な木材がある。まだ場所や道具を整備していないので、すぐには動けないけれど嬉しかった。


午後、出かけようとしたら、近所の人がシフォンケーキとパンとキーマカレーをくれて、すぐに帰っていった。不思議だなと思いながら、シフォンケーキをつまむ。美味しい。


図書館、元朱円小学校に行って、人と会う。色々あるけれど、頑張ろうと思った。夕方、家に帰って19時頃に金魚ねぷたの部屋に顔をだす。この前作った骨組みに、2枚だけ和紙を貼れた。改めてすごい作業だなと思う。


やることはあったけど、頭が働かないので寝る。






2024/4/24


オンラインで話をする。相変わらずオンラインの会話だと、自分語りをするか、声を聞くかの2つしかないように思える。会話ができない感じ。あとで後悔しそうな感覚だけあって、まだずっしりとこないからすぐに忘れる。


大家さんが家にある夏タイヤをくれると言ったけれど、全部変えてホイールが擦れてダメそうだった。また全て取り替えて、冬タイヤに戻す。


夕方から町に行って、初めて会う人たちと一緒にご飯を食べた。家が遠いとお酒が飲めないのは考えたことなかった。当たり障りのない話だけをする。お酒が飲みたい。思いっきり白目を剥いてやろうかと思った。






2024/4/25


ジャガイモを小分けにして人に送る。そのために描いたじゃがいもの絵、意外とかわいい。


夕方前に中斜里に行って、コーヒーを飲んだ。2ヶ月ぶりに会った子たちと遊ぶ。前回会ったのが3月初めだったので、学年が1つ上になっておりびっくりした。歳をとると毎年の変化はあまりない気がするけれど、子供はあっという間に変わっていくのだろう。


自分の行動や考えが合っているのかも分からないまま会話をする。うまく説明できない。全部投げ出したい衝動に駆られるけれど、急ぎではないと思って少し忘れる。ポジティブもネガティブも両方含んで、どうしてここにいるのだろうと何度も思う。






2024/4/26


朝、大家さんから電話、ダイハツの夏タイヤを息子の知り合いからもらったというので、家に行ってタイヤ交換してもらった。晩ご飯に誘われたけれど、奥さんが寝込んでいるので、私が料理をすることになった。


そのあと、役場に行って転入届を出そうとしたら、未来の日付は出せないと言われた。知り合いと立ち話を30分くらいして、スーパーで買い物をして帰る。


キャベツを茹で、挽肉などのタネに巻きつけてトマト缶で煮込む。じゃがいもを茹でて潰して、薬味と混ぜる。れんこんを酢水につけて、ごま油で炒める。キャベツを千切りにして、熱湯をかけたあとにしらすと混ぜて味をつけた。


昼過ぎ、大家さんの奥さんの姉夫婦の家に行ってお茶をする。峰浜小学校のすぐ近くにある三角屋根の家だった。


不思議な間取りの家で、玄関を曲がってすぐのリビングはダイニングキッチンと繋がっているように見えるくらいこじんまりとしていた。そこから北に向かって2部屋あったが、引き戸が全て開け放たれていて、部屋の境がよく分からなかった。また、きれいな家なのに、トイレはユニットバスだったので変な感じがした。


座面の広すぎるソファーに座って、ローソンで買ってくれていた6切れくらいのロールケーキを食べる。なぜかそれを1人で食べらされた。客人というより、孫の扱いに近い気がする。


お母さんの趣味の話やお父さんの釣りの話を聞いたり、孫が札幌のパン屋で働いている地方番組の特集をみたりした。帰りに、釣ったという冷凍の魚4袋くらいとバナナ1房を持たされる。


ほわっとした不思議な気持ちのまま料理を終わらせて、大家さんの家に行く。3人でご飯を食べた。ビールを飲んで、確定申告などの話をして帰る。






2024/4/27


ゆっくり過ごした。昼、考えを少しまとめたりして、夕方にまた大家さんの家に行って、斜里の魚組から直接買ったという大きい毛蟹を塩茹でしたものを食べた。よくわからない貝のぶつ切りをバター醤油で炒めたものも美味しかった。


ビールを飲みながら、蟹味噌に身をつけて食べる。身がぎっしりとしていて美味しかった。途中で飽きて、マッサージチェアに座っていると、その間に残っていた蟹が解体されていた。甘やかされている。


ソファーに横になるとオレンジ色の毛布を掛けられて、ビールを飲み終えるとプレモルかサッポロ、クラシックどれがいい?と聞かれる。私はどうなっちゃうんだと思いながら、麻雀の話などをして帰った。


22時からzoomで人と話す。なんとなく、直接話すときとあまり変わらずに話すことができた。気遣いと素直さの難しさ。結局、23時過ぎまで4人で話して楽しかった。話をまとめようと思ったけれど、すぐ寝る。






2024/4/28


午前中に話をまとめて、まあとりあえずと思う。煮麺とか食べたかも。


昼過ぎに大家さんがうちの中にある小さな畑にトラクターで来て、でかいコロコロで畑を耕して行った。友達から鍬で土を耕して、畝などの話を聞いていたので、そういうものが全てすっ飛んでいった感じがした。力!大きさ!勢い!


この土地が好きなのは、広大な土地に対するそうした人間の強さと勢いがあるからかもしれないと思った。大人しそうな人にもどこか力強さがあって、惚れ惚れする。


あとは、世話焼きなくせにあまり踏み込んでこない人が多いのも好き。それぞれが少し遠い場所にいて、お互いを気にしている感じがする。家々の遠めの距離感を山と海が抱擁している。



呆気に取られたけれど元気になり、大家さんの奥さんから電動ノコギリを借りて、庭の掃除を始めた。何年も放置された種々の辛抱強さよ。1mくらいある枯れた種々を踏み倒し、手で抜けるものはそのまま拾って端にまとめる。


ごちゃごちゃして見える蔦状の植物を片っ端から切り、野暮ったく見える木を剪定した。バイト以外で植物を切ったりするのは初めてだったので最初は抵抗があったけれど、進むにつれて自分の好きな庭の感じや植物のきれいな形が分かってきた。


山盛りになった草を見ていると、ちょうど大家さんがトラクターで来て、大きなショベルみたいなところに草を積んで藪に捨ててくれた。2往復する。


夕方になると、またまた大家さんの家に行ってビーフシチューを食べた。今日はお酒を飲まずに、早帰りする。疲れたので寝た。







2024/4/29


朝早く起きて、入り口側の庭を掃除し始めた。長野県から荷物がくる。いい生活セット。


色々な倒木を集めて、また昨日と同じくらいの量になった。小雨が降ってきたので休憩。今日の大家さんはユニックで来て、エゾマツの上に倒れた桜の木や白樺の倒木を片付けてくれた。植え付けで忙しいだろうに。また、急に言った草刈機を持ってきて貸してくれもした。






2024/4/30


朝起きて、草刈機で笹や緑色の塊を切る。久しぶりに使ったので慣れない。雨が降ってきたのでやめた。コーヒーなどを飲みながらぼうっとする。


午後、元漬物小屋だという家の側の小さな小屋を片付けた。ものを動かすたびにてんとう虫が黒い塊として出てくる。キッチンに合いそうな棚を見つけたのでひっくり返してみると、てんとう虫が200匹くらい蠢いていた。ああ〜と言いながら、アースジェットを噴く。


なんとか1人で庭の水道まで運び、水で全体を流した。あとは放置。小屋に戻り、もう使えないものだけを出して、他の不思議なものたちを整理する。灯油ストーブ、ガスコンロ、ネット、木材、机、棚、椅子…もっとたくさんの色々なもの。


なんとか落ち着くくらいにきれいになると、大家さんが通って中を覗いてきた。許可を得ないで掃除したのでちょっと緊張したけれど大丈夫だった。


夜は、かわいいビールを飲みながら、山菜の天ぷらを揚げる。けれど、家に片栗粉しかなかったのでちょっともちもちした。明日から仕事。










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