2022年7月2022/7/5 地元に帰るとき、電車に乗っていると絶対に体調が悪くなる。緊張が抜けるのか、慣れた記憶に体が鈍っているのか分からないが、腹の底が気持ち悪くなって、頭がぼうっとする。 大体は夕方なので、腹が減っているのもある。けれど、このドーンと押し潰される重力のようなものは...
2022年6月 知床 2022/6/21 午後六時半。飛行機から見える太陽は、私と並行にあった。この場所から見える白い光は、地上に橙色の夕暮れを落としている。私は大気と大地の間にいるらしい。小さな窓。飛行機から調達される空気を吸って、その排気音を聞いている。...
2022年6月 阿蘇2022/6/11 朝起きると気だるいので、布団の中で少し抵抗をする。昔の小説家は、女中の休める時間はこの間だけだと言っていた。曇り、少し晴れていたかもしれない。 大きく膨らんだリュックを見て、今日かと思った。うまく生きることのできなかった昨日との区別があまりない。カーキ色...
2022年6月2022/6/6 掃除の考察 三日連続、五時頃に起きてバイトに行き、十七時頃に家に帰った。三日目の夜は十二時間以上眠ってしまった。疲れるみたい。 掃除のバイトが慣れていくにつれて、頭を使わなくなる。過去に経験した運動を反復しているだけなので、体が簡単に動くようになるらしい。...
2022年5月2022/5/18 庭 最近、庭のバイトをやっている。そうして地中の世界を壊している。雑草と呼ばれるものを引っこ抜くとミミズや蟻が飛び出てきた。 紅葉の木下を通ると、小さなヒルが落ちてくる。椎の木の葉がたくさん落ちている。琵琶が徐々に熟してきた。...
2022年4月 広島2022 /4/24 六時三十分。白い布団の上で目が覚めた。昨晩に理由もなく設定した携帯のアラームが鳴っている。上半身を起こし、少し離れた場所にある携帯電話のアラームを止めた。そのままラジオを起動させて、再び布団に体を滑らせる。...
2022年4月2022/4/1 桜 するべきことをこなしていると、1日が終わる。毎日、リストを減らし増やしている作業みたいだ。何もしないことができる生活だが、やることに幸福めいたものを感じる。とても人間らしい自分が嫌になるような、良いような。...
2022年3月2022/3/1 な 日曜日から急に気温が上がった気がする。昼間に用事があると、浮かれて薄着で家を出るので夜が寒い。けれど、その寒さも耐え忍ぶような寒さではなくて、惜しむような寒さに変わった。 一昨日は、友人と銀座に行った。集合時間と場所が、会う3時間前に決まる。伊勢丹の前...
2022年2月2022/2/1 ライフライン 最近、現実逃避を頻繁にしてしまって、その欲求が収まることを望んでいたが、今日がその日のような気がする。昼に、コンビニで買ったナンをフライパンで温めて、レトルトのカレーに付けて食べたのが良かった。...
2022年1月2021/1/4 家の隙間 風が吹く 浮いている壁に、指が入ってしまった クレーン車、地下20m ペトペトの切り傷 刺さったトゲが風呂に浮いていた 寝転んで煎餅を食べた 噛み切れない小石みたい 手が透き通ってきた 寝るしかない 切りすぎた爪の間が冷える ある日、突然...
2021年12月2021/12/2 ポウポウ 日記を書くことを思いつかないほど、何かと忙しかった。昨日は、プレ卒制(プレビュー卒業制作)の講評があった。 作業的には、脚立の上り下りやホームセンターの買い出しなどで大変だった。しかし、出来上がったものを見て、これはなんだろうと思った。コンクリ...
2021年11月2021/11/1 もみの木とシカ 京都に行こうと思った。けれど、明日や明明後日に予定があったことを思い出して諦めた。しかし、それを考える前よりも心は晴れていて、この部屋、天気、自分のこと、全て受け入れようと思えた。 今すぐに部屋を飛び出したい気持ちは無くなっていたし、パソ...