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2021年11月






2021/11/1 もみの木とシカ


京都に行こうと思った。けれど、明日や明明後日に予定があったことを思い出して諦めた。しかし、それを考える前よりも心は晴れていて、この部屋、天気、自分のこと、全て受け入れようと思えた。


今すぐに部屋を飛び出したい気持ちは無くなっていたし、パソコンの苛立った問題も解決できた。単純だ。お金も時間も方法も、簡単なのだ。きっと。



昨日、雨の中、吉祥寺まで遠回りをして1時間ほど歩いた。部屋にいると体が切り開いてひっくり返るような、自身の張り詰めた肌が緩んでしまいような、そんな不安があった。


この部屋に引っ越してからそうした思いが強い。それは、今まで持っていた感情なのかもしれないし、この部屋によって呼び起こされることかも知れない。ただ、自分1人に向き合う時間が増えた。


自分と向き合って落ち込んでしまうバランスがわからない。人々が嫌悪するようなことや行為にも、彼らが愛する光の粒が潜んでいる。


あるひとは、普通の人は自身をとことん見つめる時間を取らないようにする、仕事や予定を入れて忙しくするよね、と言っていた。確かに、両親も周りの大人もそんなふうに生きていた。


仕事をしてしまえば、この気持ちは楽になるのかもしれないが、その仕事を考えるために今、身を擦り減らして考えている。


今は、暖かい暖房と冷たい窓の空気の真ん中に座っている。鳥の声とヒップホップの穏やかな曲がスピーカーから聞こえる。煙草をたまに吸う。玄関の方では工事の音がたまに聞こえる。


今日やることは、ワインをこぼしたワンピースを商店街のクリーニング屋に出しに行くこと、動画を整理すること、動画の編集方法を学ぶこと、食べ物とガス缶を買うこと。

私は文化人類学を、ただ自分を社会に充てがうための枠としか思っていない。少し学び、自分の行為に名前があって安心した。


なので、私は卒制をもっと気軽に、過去の素材に頼って手を動かせばいい。どうしてこんな簡単なことを知ることができなかったのだろう。


生活と仕事についても、物理的、思考的にも直線距離では進めない体質になっている。遠回りして、休んで、歩いて。




2021/11/2 ポリィ

朝、コインランドリーに行った。9時30分頃に家に帰ってきて、10時に荻窪警視署で取り調べを受けた。パーテーションで軽く仕切られた机と椅子がある。そこに座り、物腰の柔らかいふくよかな女性警官とアクリル板越しに話した。


北海道の警官と電話で話しことを元に、私の記述をより明確にしながら、女性警官が紙とペンで記入している。その元の書類はパソコンで作成されたものなので、私は1時間以上、彼女が写しをしている光景を見せられている状況だった。


やっと終わり、免許書の住所変更の手続きを待っていると、歳を取った気弱そうな男性と若い男の警察官が入口の方に向かっていた。警察官が、うちらが先に行くから!分かった!?と言い、男性が、ああ、はい、と気弱だがへこたれない声で返事をした。


どうやら、家宅捜査か何かで男性と共にどこかへ行くらしかった。わ〜、警察24時みたいだなと嬉しくなった。どうせなら私も、若くて厳しい男性の警察官に話を聞かれたかった。怒鳴られたい。






2021/11/3 サンサン


8時前のラジオで、カピパラ温泉を始めたというニュースを聞いた。カピパラたちは、菊の花の湯船にゆったり浸かっているらしい。





2021/11/5 音と音


音楽に合わせて動画を編集した。音楽があると、その流れに沿って今までの動画の記憶や感覚を思い出すことができて、作業しやすかった。


昨日から荻窪のバーでバイトを始めた。店主は、新宿のゴールデン街で働いていたらしく、私の知らないテンションで話す。


自分の行動範囲外の人と話す経験や、初対面の人と話す練習、気の使い方等、色々と勉強になるかなと思い、ここを選んだ。人と話せる上に、お金を貰えて嬉しい。


私の個性を出すことと、相手の話に合わせた聞き手に回ることの配分が難しい。しかし、たまに自分の旅の経験や街での発見らしいものを話すと盛り上がるので、自分の行動が変だという自覚を持っていた方が良い。


上野公園での早朝のラジオ体操に行った話はウケが良い。


週1、2回で20時からのシフトなので、17時頃から近くのファミリーレストランでパソコンをいじっている。家のWiFiの調子が悪いので、今はここが頼りだ。


コンビニの上にある小さめの店舗だが、ソファー席が多い為、ゆとりがあるように見える。また、住宅街なので客層も穏やかで、心地が良い。あと、若い店員さんのスカートが短くて可愛い。





2021/11/6 shari


吉祥寺で数時間適当に時間を過ごした後、西荻窪のワンタン麺の店に行った。L字カウンターしかない長方形の小さな店で、店にはラーメンと餃子を食べる男性と、赤い顔で酒を飲む元プロ野球選手らしい男性がいた。


野球は全く詳しくなかったが、その男性と店主との会話やGoogleマップのコメントでそうだと思った。男はあまり覇気がなく、落ち着きのない様子で目線を店中に散らしていた。


その後、煙草の吸える薄汚い喫茶店に行って、コーヒーを飲んだ。物事に集中できなくて、携帯のネットショッピングを適当に見ながら、ただそこに座っていた。


渋谷に行って、シャリという映画を見た。知っているパン屋さんと友人、海、があった。知らない人や山、雪、子供たちもいた。アフタートークもあった。


映画が終わった後、シアターの外にいた石川直樹さんに話しかけた。彼の目を見ていると、私は本当にこの人の前に立って、私の声が、その体に伝わっているか不安になった。彼は、石や山々を見ているような目で私を見ていた。多少の斜視のせいかな。



銭湯に行くという気持ちが、私を夜まで元気づける。全てが許せるような気持ちになる。銭湯では滅多に裏切られることはない。


初めて0時過ぎに銭湯に行った。客層はいつもより雑な人が多くて、日々の疲れを流す気持ちが強いように感じる。主婦のような年齢層と老人が多い。

露天風呂に入ると、薄い布で目以外の顔を覆った忍者のような人が、桶で風呂に浮いた垢などを掬っていた。ごめんなさいね!いいお出汁が出ちゃってるみたいで、と私に言った。あはは、と大きめの空笑いをした。


少しすると、彼女が、日中はどこかお出かけされたんですか?と言った。びっくりして、振り向き、今日のことを思い出した。今日1日が今始まったように感じ、私の頭の中は何も浮かんでこなかった。


無理やり引っ張り出した吉祥寺という言葉を出し、それを口にした。吉祥寺、近場ですね!と彼女は言った。バロック!バロックという店、名曲喫茶に行きました。


口に出した瞬間、それが私の記憶だった。どういう理屈か分からないが、口に出してから、そういえばそうだったと思い出していた。


コーヒーが800円もするんですよ、と別に嫌とも思っていないことを、私は愚痴っぽく言った。まあ、音楽代ですよね。私、ああいう音楽全然分からないんですよ。と彼女が言う。


私も分からないです、ただ時間潰しに行っただけですよ、と私が言い、あれを全て理解できてしまったら気が狂うんでしょうね、と彼女が言った。


会話の間、2秒ほど間ができると、私は彼女に質問をした。彼女は私に質問をする気配はなかったが、彼女は話すことが好きそうなので、私はそうしていた。荻窪でのバーのアルバイトの経験(まだ2日間だけだが)から、そういったことが苦痛で無くなっていることを知る。


全ての出来事に慣れることはいいことではないが、こういった新鮮な気持ちが残っているうちは、そういうバイトをしていいと思っている。今のところ。

バーの店主が言った、人は絶対に誰かと会話したいんだよ、という言葉がずっと心に残っている。


女性は、自営業の経営コンサルでデータ分析をしていた。おすすめの御茶ノ水のホテルバイキングを教えてくれた。家が青梅街道を挟んだところにあるらしい。自分で味噌を作ったりするnoteを書いているらしい。


全てどうでも良い。好意も悪意も何も感じなかった。ただ毎秒生きていることを感じていて、それだけで十分だった。




11/7


いま、誰がどう見ても私はぐちゃぐちゃな生活をしているのかもしれない。いつかそれがまとまることを知っている。






2021/11/8 む


朝起きたら二日酔いだった。8時くらいに起きたかったが、起きれない。10時前に起きて、体を洗って、うどんを食べて、出かける支度をした。


鈍い程度に頭が痛い。駅までの道のりも、電車の移動も全て億劫で、中央線の座席が心地よいソファーのように感じた。ずっと、青梅くらいまで乗っていたい。その感覚をずっと録音していた。


学校に行くことは、ただの移動なのに何だかとても疲れる。気が滅入るし、自分が何を考えていたか分からなくなる。何も考えていないのかもしれない。


また、今日は単純に体調が悪かった。消化器官も、肺も、肝臓も、全て鈍い働きをした。右目の奥がジーンと痛かったし、無性に喉が乾いた。水を永遠と飲んで、右目を穿り出して、眠りたかった。


ゼミの集まる時間まで、図書館にいたり、ベンチでコーヒーを飲んだりと落ち着きなく過ごした。集合時間の5分前くらいに無性に辛い麺が食べたくなって、コンビニでカップ麺を買った。


お湯を入れて、世界堂の前のベンチに座って食べる。ゆっくり食べる。少し離れたところで、ゼミ生が携帯電話を確認しながらゼミ室へ早歩きしていた。私も急ぐべきだったが、こうして外で辛いカップ麺を食べていることが幸福だったので、その姿を見ながら、微笑むような気持ちで麺を啜った。



ゼミで人と会話をして、絵を描いた。昨日のせいで、声が少し掠れていた。教授と少し面談らしいものをする。教授は忙しいようで、いつにもなくギラギラして、目が少し充血していた。人は忙しいと何かスイッチが入るらしい。


自信のない私の動画は、もちろんあまり良くなかった。何がやりたいの?と言われ、答えられなかったことに全てがあると思う。





2021/11/9 emanon



何がしたいの?何がしたいんだっけ。ずっとこのまま平穏に生きられたらいい。そう思っている自分はごく僅かなで、焦って部屋を飛び出したい自分が体の8割を占めている。


今日は雨が降って、家から出られないので8割が4割くらいに収まっている。家に傘がない。丁度よく、気を落ち着かせる古本と珈琲と写真家さんからの電話があった。金曜日までの仕事ができた。急にやる気が出て、出かける訳でもなく着替えた。


少し立ったままでいて、やはり、と虎の毛布にくるまって椅子に座った。パソコンを開いた。急ぎでもない日記を書いている。気を紛らすための日記。130にも溜まった日記。


この日付の日々と文章の全てを理解できなくて、多分、誰よりもこの文章が奇妙だと思っている。何度読んでも混乱した。痛くもない薄皮を、ゆっくり剥がすようにこの文章を書いている。


この日記を好きだと言ってくれる人がたまにいて、変わっているなあと思い、それを素直に受け止めることができない。拒んでいる訳ではない。ただ、過ぎ去るものとして見つめる。


心地の良い生活がしたい。仕事と古本と、飲み物と食べ物。けれど、それだけで満足できないことを知っている。私の望むものはきっと破綻と安定の連続だ。その微々たる変動にいちいち悩まされて、喜んで、振り回されている。



大きな袋2つと小さな袋1つに溜まった洗濯を持って、コインランドリーに行った。適当に、1つは銭湯の隣のところで、もう2つは毛布が入っていたので、青梅街道沿いのコインランドリーに行った。


近い距離にあるのが救いだったが、洗濯機に洗濯物を入れる時も、乾燥機に移す時も、畳む時も全て、億劫でイライラした。こんなことをしている場合かと焦っていた。清潔を保つための見失ってはいけない行為なのに。


旅行先でのコインランドリーは有難くて、乾いた洗濯物を確認するとき、義務感と離れることのできない生活の存在を感じて、安心を感じる。


しかし、今、洗濯は既に習慣になっていた。不便な習慣だった。わざわざ少し歩いて、重い衣類を持って、それらを乾燥機か自宅のハンガーたちにかける。


外へ広がっていく体と生活を感じるはずのものが、ただの不便と貧乏を突きつけられている。それさえも望んでいたはずだったが、何か、駄目だ。慣れに変わってしまったら、全て駄目に思えてくる。


一昨日、酒に頼って夜を過ごした。酒、煙草、会話、等々、夜の街には、人間が好むもので満たされていた。この時期だから意図的に近づいた。それで自分がどのような拒絶反応と慣れを体験するのか、少し楽しみだった。






2021/11/10 yoo-

夜中、駅を降りる。改札を出ると、すぐに広い駐車場があった。ロータリーのようにとても大きなコンクリートの地面には、2、3台のタクシーが停まっている。それらは、ヘッドライトには微かに光っているだけで、皆気力がないように見えた。


私の他に降りたのは、小さな男の子と母親の親子と、他に数人。街灯らしきものは、閑散とした駅の周りにしかない。なので、反対側に広がる湖は月光のみに照らされ、その全体は分からなかった。


ただ、広くて、木々のある島々が点々としていることだけがぼんやりと分かる。虫が鳴いている。星が少し見える。暗い、不安になる色をしている。人々のシルエットが黒く、湖のそばに散らばって見えた。


私はどうしてここへ来たのか。先程まで明確な理由を持っていたはずだったが、ここに着いた途端、全て解決したように思えた。私はしきりにタクシーの様子を伺っている。電車は終電だったらしい。私は駅と電車のことを既に忘れていた。


私がタクシーに近寄ると、側にいた親子がごにゃごにゃと、乗らない方がいいですよ!と言った。せっかくここにきたのだから、もう少しここにいた方がいい、と言う。うーん、と答えたが、私は、ここにいる全ての人が少し奇妙に見えていた。湖はまるで闇のように黒く唸り、駅はもう跡形もない。


それから暫くすると、あるおじさんと出会って、彼の親戚を見つけることになった。私は、その親戚がいる町の目星がついていた。私たちは、車で海沿いの田舎町に行って、私の知り合いの家を訪ねた。


彼らの家は、遊園地のように捻れて、丸くて、鮫がいた。私は、鮫がいるなあと思った。知り合いの夫婦は、その男の親戚を知っていた。わーい、と喜ぶと、私はコンビニと焼肉屋の間にある駐車場の車にいた。


一緒に乗っていた人たちは既に焼肉屋に入っていく途中で、私は遅れていた。靴を履き、車から出て、焼き肉屋の階段を登る。座敷に座って、知っているような人たちの中で焼肉の匂いに包まれた。ふと、私は車の中に忘れ物をしたことを思い出して、店を出る。



朝、7時に目覚ましがなった。少し寒い。寝ているときに蹴り飛ばした毛布を頭まで引っ張り上げて、40分間くらい寝ながらラジオを聞いた。天気となにか?なんだっけ、忘れた。天気さえも昨日聞いたものかもしれない。


布団を畳んで、洗濯物を触った。まだ湿っている。母がよくしていたように、それらの衣服をコインランドリーの乾燥機で12分間回した。


その間、反対側のコンビニに行ってコーヒーを買う。それを持って戻って、3分間ほど洗濯物が回るのを見る。グルングルン回っている。右回転が多めで、たまに気まぐれで左回転をする。取り出したものたちは、暖かく、柔らかだったので、いい気分になった。生乾き臭が消えている。夜の洗濯物は、重く冷たい鉛のようだったと思い出した。




2021/11/12 na


ゼミの一部の人たちで群馬の原美術館に行った。行きのバスで3時間もゼミの子と話していた。すごい。閉鎖的空間だから、そうなった。隠れる場所がない。こんなに話してくれて、隣に座ってくれて有難いと思った。


2度、働いている女性たちと少し繋がった気がした。両方とも、綺麗だな、話したいなと思っていたら、こちらに近づいてきて、私に話しかけてくれた。


帰り道、道路がとても混んでいると思ったら、この先で交通事故が起こったらしい。雨が降っているのかもしれない。


昨日の夜にカップラーメンを食べたからか、慣れない人たちとのバスツアーのせいか、昼頃から胃が痛くて辛い。座っているとまだ良い。立っていると、体が座るか寝ろと言ってくる。


なんでこうなっているんだ?と思うと同時に、なんとなく全ての言動が繋がっていて、それを受け入れて深呼吸すると、帰りのバスの中、体が少し優しくなった気がした。ホッカイロを片手でずっと握っている。人の手を握っているような、うざったるさと安心がある。温かいのは安心する。


電車よりも他人になりきれない隣人の重さを感じる。これが高速道路らしい速度で走ってくれるのなら、ここまで辛くない。風を感じたい。バイクに乗るか、車を自分で運転したい。そうすれば、絶対に良くなる。


外に出て、1人になりたい。生活感を抹消してしまいたいとも思う。なんでだろう。食料も全て捨ててしまって、服もいらない。不意に訪れる崩壊に体が乗っ取られていく。よくなるまで、じっと耐えるしかない。





11/15


たったったっ、というリズムが、生活の音。その間に、旅が入る。光る。現実も光る。私の体が薄く引き伸ばされて、発光する。


電車から見る風景にも、火にも、眩し過ぎる太陽にも、私の記憶は存在して、再び1つになろうと集まり出す。そして、またこぼれ落ちた。一定の量を超えることはできない。容量のある体。


日々、体と生きながら、自分の薄れた記憶を探している。公園で、スーパーで、道端で、少しずつ自身を拡張して収縮することを繰り返す。


そして、その欲が大きくなると旅に出る。初めての環境に晒された体は、緊張と喜びを感じ、疲労する。空気と馴染み、突き放され、人と話し、相手の中に自分を見つけて喜び、忘れる。






2021/11/23 毛玉


自分の普段行かないところへ強制的に行くと、考えも環境も異なる人と会話する。すると、なんて自分は言葉を持っていないんだと驚く。


この前、一通り話し終えた後、それで?と言われ、え?となった。なんで理解してくれないの!と怒りそうになる自分と、笑って諦める自分、どうにか実例を探して説明しようとする自分。全てが一気に押し寄せて、目の前の人を凝視した。その一点に全て、今まで時間や経験が詰まっていたけど、何もなかった。


生きていることが分からなくなる一方で、反抗や苛立ちの感情を感じて、喜びを得るときがある。感情が揺れ動くとどんな事でも嬉しい。考えることが生まれる。自問自答をしている。それで、時間が経つ。


人との関わり方について。思考が似たような人たちに対して興味を持ち、仲良くなりたいと望むこと。それが貪欲な本能なのではないかと気付いて、全て疑わしくなる。


自分に興味を持ってもらい、繋がって、新しい情報を知るか、仕事を貰う。生き残ることは大切だが、そのことを一度くらい忘れて、もっと違った思考になりたい。


どんなに遠くに行っても、違う仕事の人と会っても、人間との繋がりは同じように感じた。それを意識していれば、全てうまくいく。しかし、私はそれのどこか崩さないといけないと何故か願っている。






2021/11/29 f

彼らがいなくなる前、そこに、光があった。

気がついたら、私はそれを探している。

光を捕まえた。しかし、それらは簡単にこぼれた。

私たちは、風のようになることを、強いられている。

日々、リズムがあって、それが聞こえなくなると、風に煽られて、旅にでた。

どこに行っても、風があった。

風は、私を切り取って、上空まで引っ張り上げ、再び体に戻すことを繰り返している。


彼らはさまざまなものをを掬い取っては、かき混ぜた。

昔は、もっと素直だった。

太陽が出れば体が活発になって、水が冷たくなると底の方で眠った。

視界は今よりも歪んでいたが、その分自由で、世界は単純だった。


流れにまま流れていた。そういったあらゆるものだった。

徐々にずれていった輪郭に、体を合わせている。

岩の上に寝転ぶように、体を沿わせて、その温度を感じている。

波の音を聞いた。音は今も、反響し続けているので、都市は沈没している。

その公園で話を聞いた。

湿った体がこちらを見ている。














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